外国人技能実習制度について思うこと
こんにちは。
最近、外国人技能実習制度問題がメディアなどで話題になっているような気がします。
今回はこのテーマについて僕が思うことを書き綴っていきたいと思います。個人的に、この話題はすごく身近に感じます。というのも僕は現在、技能実習生を多く日本に輩出するベトナムに学部留学をしているからです。
ベトナムで暮らしていて、いかに日本がベトナムに馴染みのある国であるかは手に取るようにわかります。 大学周辺の街ではサッカー日本代表のユニフォームを普段着として着用している人たちを頻繁に見かけます。また、大学のクラスメイト達から聞く話では、僕ら大学生の世代は小さい頃から日本の漫画やアニメを見て育ってきているそうです。
そのためか彼らは、特別日本語の勉強をしたことがなくても日本語の単語をある程度知識として知っています。カフェの中には、名探偵コナンやクレヨンしんちゃんの漫画が置いてあるのを何度か見たことがあります。
また、これはベトナム人の中でもしっかり教育を受けた人にしかわからないことだと思うのですが、日本はベトナムに多くのFDI(Foreign Direct Investment)を提供することでインフラの発展に大きく貢献しているそうです。そのため、授業中にこの話題になった時には、クラスメイトは感謝をしてくれました。
さらに、日本語に由来するような名前のお店や食品などをよく見ます。
例えば、「Oishi」(おいしい)という菓子ブランド。
また、これは実際に会社に確認をとった訳ではないので断定はできないのですが、消費者向けの商品を扱うMasan Consumerは日本の地名をそのまま食品の商品名として売り出しているようです。ベトナム国内で有名なのは"Omachi"(大町)があります。僕も最近知ったのですが長野県に大町という市が実際にあるそうです。他には"Sagami"(相模)などがあります。これらの商品は大変身近なもので、街のスーパーや食料品店に行けば必ずと言っていいほど置いてあります。
少しだけ話が逸れましたが、このようにベトナムには日本に関するもの・ことがたくさんあるんです。それくらい、馴染み深い国なのだと思います。
これだけ日本に馴染みの深い国であるなら、憧れを持って日本に行きたくなるのも当然だと思います。そこで登場するのが、日本政府の実施する"外国人技能実習制度"です。
実は当方、この外国人技能実習制度を取り巻く問題について議論する勉強会に参加したことがあります。ベトナム、ハノイ在住の日本人向けに開催されたものでした。
この勉強会は、専門家の方の講演を聞いた後に質疑応答形式で参加者と議論を交わすというものでした。ベトナム生まれベトナム育ちのベトナム人の専門家にも講演をしてもらい、この問題の根本的な原因などについて考察をしました。
この問題の根本には、悪質な斡旋業者、ベトナム人の国民性、などが関係しているんだそうです。斡旋業者の業務内容は非常に悪質で、彼らは主に渡航者の日本語教育からするそうなのですが、この教育もいい加減で日本で就業するのに十分なレベルまで教育をしないそうです。
ベトナム人の国民性とは"人に頼り過ぎてしまう"というもので、悪質な斡旋業者の言葉に乗せられ違法であるのに契約をしてしまったり、自分に都合の悪いものだとわかっても自分で行動せず人の助けを待つ、というようなものだそうです。
もちろんこれだけが全ての要因ではありません。もっともっと根の深い、複雑な問題です。しかし、これらも要因の一部として考えられるということです。
結果、彼らは低賃金で働かされてしまい、生活に十分なお金がないことから万引きなどの軽犯罪に走ってしまうそうです。
最近のニュースにある、実際のベトナム人実習生のインタビュー映像を見ていると、本当に涙が出てきてしまいます。こんな現実が悲しすぎるのです。少なくとも僕の周りには、日本に対して悪いイメージを持っているベトナム人は一人もいません。
しかし、外国人技能実習生として日本に来て、最悪な、まるで奴隷のような条件で働かされてしまった彼らは、日本を嫌いになってしまうかもしれません。この現状を知った実習生の親族や、知り合いなどが日本に対して悪いイメージを持ってしまうかもしれまん。そんな現実があると考えたら、本当に悲しいのです。悔しいのです。彼らには、日本のこんな最悪の一面ではなく、もっと良いところに触れて欲しいのです。
この問題は個人レベルに収まらず、日越の国交に悪影響を与え兼ねないのではないかと考えています。急激な経済成長を続けているベトナムには、日本企業も多く展開しています。国交が悪化すれば、これらの企業がベトナムでビジネスをするのに都合の悪い条件になってしまうかもしれません。
こんなことにはなってほしくはないのです。たった一部の悪質な業者のせいで、彼らに日本を嫌いになってほしくないのです。彼らには、日本人として、"憧れの日本"であって欲しいと思っています。
話がまとまっている自信がないですが、今回はこのあたりで終わりたいと思います。
ありがとうございました。